バイオマスの熱利用について
▶︎未利用資源の有効利用
バイオマス熱利用は、バイオマス資源を直接燃焼し、廃熱ボイラから発生する蒸気の熱を利用したり、バイオマス資源を発酵させて発生したメタンガスを都市ガスの代わりに燃焼して利用することなどをいう。
▶︎メリット
バイオマス熱利用は、「バイオマス発電」や「バイオマス燃料製造」と同様に、循環型社会を形成していく上で、様々なメリットをもたらす。
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1.資源の有効活用
- 間伐材や廃材など廃棄処分されていたものが、ペレットなどの燃料として再生されるため、消費者もそれを利用することで「資源の有効活用」に参加することができる。
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2.焼却時の排熱利用
- バイオマス資源を燃料とした発電では、その際に発生する排熱をエネルギーとして利用できるため、効率的なエネルギーと呼ぶことができる。
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3.生物系廃棄物の削減に寄与
- バイオマス資源を有効活用することで、発生する生物系廃棄物の量を削減することができる。
バイオマス発電の分類
バイオマス発電の特徴
▶︎バイオマス発電の特徴は?
1.地球温暖化対策光合成によりCO2を吸収して成長するバイオマス資源を燃料とした発電は「京都議定書」における取扱上、CO2を排出しないものとされている。
2.循環型社会を構築未活用の廃棄物を燃料とするバイオマス発電は、廃棄物の再利用や減少につながり、循環型社会構築に大きく寄与する。
3.農山漁村の活性化家畜排泄物、稲ワラ、林地残材など、国内の農産漁村に存在するバイオマス資源を利活用することにより、農産漁村の自然循環環境機能を維持増進し、その持続的発展を図ることが可能となる。
4.地域環境の改善家畜排泄物や生ゴミなど、捨てていたものを資源として活用することで、地域環境の改善に貢献できる。
▶︎課題
資源が広い地域に分散しているため、収集・運搬・管理にコストがかかる小規模分散型の設備になりがちという課題がある。
発電の種類 Vol.5
5. 太陽光発電
・太陽電池の仕組み
▷「太陽電池」は、「電池」と付いているが、電力を蓄える装置ではなく、太陽の光エネルギーを直接電力に変換する「発電機」の役割をはたす。
▷太陽から地上に降り注ぐ「光エネルギー」が「太陽電池」に当たると、「光起電力効果(ひかりきでんりょくこうか)」とか「光電効果(こうでんこうか)」と呼ばれる現象が起こる。
▷光が照射されることで、太陽電池を構成している半導体の電子が動き、電気が起きる。
▷太陽電池は、シリコン系、化合物系、有機系とあって、それぞれに発電効率がちがう。現在の主流はシリコン系で世界の生産量の約8割をしめている。
・ソーラーパネルとは?
▷ソーラーパネルは、太陽電池をたくさんつなげたもの。
いちばん小さな単位を「セル」、そのセルを板状につなげたものを「モジュール」、とか「パネル」とよぶ。
▷最近ではソーラーパネルを、一般家庭の屋根に設置することが増えてきた。
また、効率良く大きな電力を生み出すために、休閑地など広い土地にたくさんのソーラーパネルを設置して大きな電力を生み出す、「メガソーラー」と呼ばれる太陽光発電施設も増えている。
・メリットとデメリット
▷太陽光発電は、太陽光が当たれば電力を生み出してくれる発電方法。
▷ただ、太陽光が当たっていない、夜間や日照不足の時間は発電することができないため、電力を毎日一定量供給するという「安定性」の面では弱い部分がある。そのため、発電コストはすこし高めにかかってしまう。
▷そのかわり太陽光発電は、火力発電や原子力発電のように、燃料を必要としないので、排気ガスやCO2、燃えかす、使用済み燃料の処理なども発生しない。
▷また、火力発電のようにエンジンやタービンといった稼働部分がないため、故障が発生しにくく信頼性が高いことも特徴。
▷地球環境にやさしい安全でクリーンなエネルギーとして、近年急速に普及が進んでいる。
発電の種類 Vol.4
4. 風力発電
・風力発電とは?
▷風力発電機の上部に付いている「ブレード」と呼ばれる羽の部分に風が当たると、「ブレード」が回転し、その回転が「動力伝達軸」を通じて「ナセル」と呼ばれる装置の中に伝わる。
▷「ナセル」の中では、まず「増速機」という機械が、ギアを使って回転数を増やし、回転速度を速める。その回転を「発電機」で電気に変換している。
▷発電された電気は「塔体」の中を通って「トランス(変圧器)」で昇圧され、送電線(または配電線)を通って届けられる。
▷ちなみに「ナセル」の中には「ブレーキ装置」も付いている。どうしてわざわざブレーキが付いているのかというと、台風や点検の時には、危険なのでブレードの回転を止める必要があるため。
・メリットとデメリット
▷風力発電は、一定の風速があれば、昼夜を問わず電力を生み出してくれる発電方法。
▷一方、風が吹かないとき、風が弱すぎるとき、そして台風などの風が強すぎて危険なときには、発電することができないため、電力を毎日一定量供給するという「安定性」の面では弱い部分がある。
▷そのかわり風力発電は、火力発電や原子力発電のように、燃料を必要としないので、排気ガスやCO2、燃えかす、使用済み燃料の処理なども発生しない。地球環境にやさしい安全でクリーンなエネルギーとして普及が進んでいる。
発電の種類 Vol.3 水力発電
3. 水力発電
・水力発電とは?
▷水力発電は、水が高い所から低い所へ流れる時の位置エネルギーを利用して、発電を行う。
高いところから低いほうへ勢いよく水を流し、その中に発電用のポンプ水車を設置し、その水車の回転で発電機を動かすことによって発電を行う。
▷水力発電は水力をどうやって発生させるかによって様々な種類がある。
・メリットとデメリット
▷水力発電は水という再生可能エネルギーを有効活用した、もっともクリーンな発電手法。温室効果ガスも大気汚染の原因となる酸化物も排出しないうえ、水流や水量を変化させることで、発電量を容易にコントロールすることができる。
▷山や起伏に富み、水資源にめぐまれた日本にとっては、優秀な純国産エネルギーと言える。
▷ただし、大型発電所の建設は、森林など自然環境に対する影響が大きく、大規模建造物であること、需要地からの遠隔地に建設されることなどから多大な建設費用や送電コストがかかるといった問題点もある。
▷また、水資源を利用するため、その年の降水量によって影響をうける場合がある。